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2018-06-11 07:06

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大手企業で広がる副業解禁!その理由とは

本業一社忠誠型から変わる“カイシャ”文化

働き方の多様化、柔軟化が叫ばれる今、日本国内の大手企業でも副業解禁の動きが広がってきている。一括採用、年功序列、終身雇用、独特の体系をもって築かれてきた“ニッポンのカイシャ文化”は、今後どう変わっていくのか。副業容認をめぐる最新動向を追う。

これまで、自社の正社員に対し、副業や兼業を禁止するのは当然とみなされてきた。競合関係にある業務に従事する労働法上の信義則違反や外部への社内機密情報の漏洩、自社の社会的評価や秩序維持にマイナス影響をもたらす可能性が考えられるほか、長時間労働の発生など、さまざまな面で本業に支障が出ることが懸念されるからだ。

そもそも“ニッポンのカイシャ”文化における日本型雇用は、人事制度の面でも、報酬体系、福利厚生面でも、副業や兼業を想定せず、本業への専業としてその人の人生をみてきた。しかしそうした雇用のかたちは、社会情勢の変化などから限界も指摘されるようになり、今やシフトチェンジの時代を迎えているといえる。

政府も副業を積極的に認め、より柔軟な働き方の実現と退職後を見据えたキャリア形成を図るよう訴えている。こうした施策もいわゆる“働き方改革”のひとつだ。大手企業が副業の解禁に踏み切る背景には、これら国の働きかけの影響も確かにあるが、別の狙いもある。

限定つきで解禁、スキルアップや人脈の拡大に期待

ユニ・チャーム株式会社は、入社4年目以上の正社員を対象に2018年4月から新制度を導入、就業時間外や休日に、個人の専門技術向上や人材としての成長が見込めるものならば副業を許可するとした。

事前に届出書と誓約書を提出させることで、長時間労働や情報漏洩を防止、健康の維持と本業への影響を考慮し、午前0時以降の勤務を禁じるなど、一定の条件をつけているが、社内業務では得られない経験を通じて、新たな知見や専門性の獲得、人脈の形成を図ってほしいとしている。

ソフトバンクグループは、2017年11月から副業容認へと舵を切っており、こちらも事前申請・承認制で運用している。単純な副収入目的のみの労働や、適切な休暇がとれなくなる過重労働、雇用契約を結ぶ形態の就業は禁止とするが、これまでに大学セミナーへの登壇や書籍執筆、アプリのプログラミングなどを許可し、社員のスキルアップなどを図っている。

大手銀行では新生銀行が嘱託を含む行員全てに副業を容認。やはり外部の知見やノウハウを獲得し、新たな知見を得たいと積極的に希望する行員のキャリア形成を支援するとした。

コニカミノルタ株式会社も2017年12月から、兼業・副業の制度を導入した。起業や専門性の高いプログラミング分野などでの利用を想定したもので、社外で得られた経験や知見を活かして本業におけるアイデア提案などをより多角的に、積極的に行ってほしいとし、自社でのイノベーション創出機会を拡大する還元効果を狙っている。

このほか、エイチ・アイ・エスやヤフー、ロート製薬、日産、富士通、花王なども副業を認めている。カゴメも2019年に導入予定という。いずれの起業も、自社の正業で活かされる社員のスキルアップや人脈の確保・拡大など、プラスの還元効果を見込んで副業制度を整えてきている。

勤怠管理や情報漏洩対策の問題などから、一定の条件付きとなるケースがほとんどだが、副業を認めることによって、さらに社員個々のモチベーションアップや自立心の育成も期待される。柔軟な働き方が認めてもらえるという魅力から、優秀な人材の獲得や流出防止の策としても機能するだろう。

人材確保が大きな課題となっている今日、副業解禁が企業にも、社会にも、働く個々人にも、メリットをもたらす可能性は高い。副業・兼業を認める動きは今後も拡大していくだろう。

(画像は写真素材 足成より)

外部リンク

労働新聞社
https://www.rodo.co.jp/news/46296/

ニュースイッチ
https://newswitch.jp/p/12798

SankeiBiz
http://mag.executive.itmedia.co.jp/

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