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2018-07-04 13:45

働き方

働き方改革関連法成立!2020年4月までに経営者・人事担当が対応すべき7つの論点(1/2)

はじめに

2018年6月29日、参院本議会で「働き方改革関連法案」が成立しました。安倍晋三首相が「戦後の労働基準法制定以来70年ぶりの大改革」と称する本法案は、働く方ひとりひとりが、よりよい働き方を選択し、よい生き方を歩んでいくことを願って作られた法案です。

法案がどういうものか?経営者・人事担当者はどのような対応が求められているか?を改めて振り返ってみましょう。

本シリーズの前編では、2019年4月1日に施行される各法案と、経営者・人事担当がとるべきアクションをまとめています。


「働き方改革関連法案」が生まれた社会的背景

働き方改革関連法は、働き方改革を推進するために必要な関連法案を改正する法律案です。

厚生労働省はHPで、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」に言及したうえで、生産性向上・就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境作りを社会課題ととらえています。

その中で、働き方改革は、「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにする」をゴールに推進されています。


「働き方改革関連法案」で何が変わるのか?その対策は?

では、「働き方改革関連法」によって、何が変わり、経営者・人事担当者はどのような対応が求められていくのでしょうか。今回改正される、労働法をひとつひとつ解説していきます。


1. 労働時間に関する制度の見直し(一部省略)
概要
一番大きな影響があるのは、時間外労働の上限規制の導入です。時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、上限に関する違反には罰則を課すことになりました(一部職種は除く)。

また、臨時的な特別の事情がある場合においても、労使協定を締結した場合に年720時間を上限とし「休日労働を含み2か月ないし6か月平均で月80時間以内」、「休日労働を含み単月で100時間未満」、「原則である月45時間を上回る回数は年6回まで」というガイドラインを設けています。これは労災の認定基準である「過労死ライン」を意識した内容です。

試行日
・大企業:2019年4月1日
・中小企業:2020年4月1日
・自動車運転業務、建設業、医師:2024年4月1日


2. 勤務間インターバル制度の普及促進
概要
勤務間インターバル制度 とは、過重労働による健康被害予防のため、勤務の終業時間と翌日開始の間を、一定時間空けて休息時間を確保する制度です。

現状具体的なインターバル時間の規定はありません。先行して導入している企業は、8時間、8時間+通勤時間、10時間など、独自のガイドラインを設定し運用しています。

試行日
・2019年4月1日


3. 産業医・産業保健機能
概要
3点目は、労働者の健康管理のための産業医・産業保健の機能強化です。企業が労働者の健康を適切に管理するための、産業医の巻き込みや環境整備について言及しています。具体的には以下の2点について、アクションを取っていくことが求められます。

1. 事業者における労働者の健康確保対策の強化
・長時間労働者等への就業上の措置に対して産業医がより適確に関与するための方策
・健康情報の事業場内での取扱ルールの明確化、適正化の推進
・労働者が産業医・産業保健スタッフに直接健康相談ができる環境整備等

2. 産業医がより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備
・産業医の独立性、中立性を強化するための方策
・産業医がより効果的に活動するために必要な情報が提供される仕組みの整備
・産業医が衛生委員会に積極的に提案できることその他産業医の権限の明確化

施行日
・2019年4月1日


4. 高度プロフェッショナル制度
概要
高収入(年収1075万円以上を想定)であり、専門の知識を持った労働者が、本人の同意のもと労働時間の規制から外れて働くことを認める制度で、通称「高プロ」と呼ばれています。事実上の残業制限がなくなり、勤務時間に縛られない働き方ができます。代わりに残業代や深夜手当・休日手当が支給されない所が特徴です。

試行日
・2019年4月1日


経営者・人事担当者はどう対応すべきか?

まず最初に取り組むべきは、2019年4月1日より導入される、残業時間の上限、勤務間インターバル制度、産業医・産業保健機能、高プロに向けた制度設計・推進体制を構築し、正しい情報を社内に浸透させていく必要があります。

特に、残業時間の上限については、各企業が残業時間の上限規定を労使協定で定める裁量をもっていましたが、今回は明示的な残業時間の上限が定められました。企業は今後、法令順守のため厳格な残業管理を求められることになります。

他規定も含めて取り組むべき具体的なアクションとしては、以下が求められます。

・各法案施行にあたっての諸規定の変更、システムの変更、管理業務の変更
・経営層・中間管理職・現場推進社員・関連人事担当者への周知
・業務効率化のための既存業務の見直し・棚卸し
・業務上の法令順守の徹底と、法令順守を目的とした形式的な勤怠管理への勧告の徹底
・規定違反者に対する懲罰の規定

影響範囲が極めて多岐に渡るので、一定規模の組織では、責任者クラスを推進責任者として、マネジメントレイヤーを巻き込んだ全社横断型のタスクフォースを推進する必要があります。

次回は、「働き方改革法案」の中で、2020年4月1日に施行される残りの法案の内容と、経営者・人事担当者がとるべき対応をお話します。



外部リンク

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9%E6%94%B9%E9%9D%A9%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%B3%95%E6%A1%88

働き方改革の実現に向けて(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180630/ddm/012/010/043000c

日本の人事部
https://jinjibu.jp/keyword/detl/519


労働政策審議会建議「働き方改革実行計画を踏まえた今後の産業医・産業保健機能の強化について」を公表します
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000166927.html
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