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2018-08-24 08:08

働き方

会社が副業を禁止するパターンと対処法

会社が副業を禁止するパターンと対処法

今、政府が取り組んでいる「働き方改革」に沿って、会社員の副業を論じるニュースをよく見聞きしますが、副業を禁止している会社もまだまだ多いようです。
しかし、実は会社が副業を禁止することができる法律は存在しないことをご存じでしょうか。
会社に勤めながら副業をすることは合法とは言え、副業に関する正しい知識を持っておくことは重要です。
ここでは、会社が副業を禁止するパターンと、うまく折り合いをつけながら副業をする方法を説明します。

そもそも「副業禁止」は法律上許されない

先行きが不透明な時代ですから、会社に勤めながらも、収入アップのために副業を始めたいと考えるのは自然なことです。
しかし、会社へ事前の確認を怠って副業を始めてしまうと、後々トラブルにならないとも限りません。そのため、まずは就業規則の確認から始める必要があります。

就業規則とは会社ごとに定められた規則です。
あらかじめ知っておきたいのは、就業規則で社員の副業を禁止するのは法律上許されないということです。
社員は会社と雇用契約を結び、契約に従って勤務するわけで、就業時間外のプライベートな時間であれば何をしようが自由なはずです。
民法や労働基準法を見ても、他社と兼業したり副業を制限したりする定めはありません。その認識を踏まえたうえで、会社が副業を禁止する根拠は就業規則にほかなりません。

副業禁止が有効になるパターンとは

就業規則で定める副業禁止が有効になるパターンとしては、過去の判例を参考にいくつかのパターンに分けられます。

まず1つ目のパターンに、本業に影響が出るほどの長時間労働の副業があります。
勤務時間外はプライベートとはいえ、例えば睡眠不足や疲労を蓄積してまでアルバイトに励んでしまうと、本業に悪影響を及ぼすのは避けられません。
過去の判例で参考になるのは、会社に勤務しながら飲食店で毎日6時間働いていたため解雇されたという事例です。裁判所の見解では、余暇利用の副業の域を超えて本業への悪影響が懸念されると出ています。
反対に、大学教授が週末に語学学校で講師をしていたケースでは、本業への影響を認めないと判断しています。
これらからわかるように、例えば夜遅くまで副業をしたせいで、会社に遅刻したり居眠りをしてしまうということがあれば、本業への影響が認められる長時間労働になると言えます。

2つ目は、副業が本業と競合関係になるケースです。
例えば、アパレル会社に勤務しつつ、別にアパレル会社を設立するようならこれに該当します。過去の判例では、本業の取引先から仕入れをおこなったことが「信頼関係を損なう背信行為」とされています。
そのため、できる限り本業と同業種での副業は避けるのが基本ですが、どうしても仕方ない場合は、本業の顧客や取引先とは接点を持たないようにしましょう。

これら以外には、会社の信用を失墜させるおそれがある場合があげられます。
前述したような具体的な判例はありませんが、例えばマルチ商材を扱ったり、反社会勢力と関わったりするような副業が該当します。
社会通念上も解雇相当にあたりますので避けるべきでしょう。

副業を始める前にチェックしておきたいポイント

ここまで、就業規則において副業禁止が妥当になるパターンについて説明してきました。
以上の知識を踏まえたうえで、まずは就業規則を確認してみましょう。

副業についての規定がない、もしくは自由に認められているようなら、何も問題はありません。
自身の判断において副業を開始してください。
ただし本業に悪影響が出ないような配慮は必要です。副業に関する規定がなくても、副業が原因で本業が疎かになるようであれば、懲戒や損害賠償の対象になりうることは頭に入れておくべきです。

副業禁止、あるいは許可制の場合についてはどうでしょうか。
副業禁止は法的に違法のため、実際は許可制と同等と考えても構いません。
過去の判例では、会社に実害がないのに副業を許可しなかったケースが違法とされています。
つまり、本業に差し支えのない程度であれば、会社に届け出さえすれば問題はないと考えられます。

しかし、これはあくまでも法的観点に基づいたことに過ぎません。
いくら法律上問題がないとは言え、実際に問題なく両立できるかは別問題です。
たとえ就業規則で許可制とされていても、ほかに誰も副業をしていないようなケースだと、自分だけが申し出るのに気が引けるだけではなく、もしかすると人事考課にも影響があるかもしれません。

そのため、届け出をしない選択肢も考えられます。
副業の内容にもよりますが、プログラマーやライターなど、クローズドな環境で身分を明かさず働けるような仕事であれば、副業が発覚するリスクは小さいと言えます。
とは言え、もし発覚した場合にどうするかは想定しておくべきでしょう。

現実的な話として、多くの会社は本業に集中してほしいという考えから、副業に否定的なスタンスなことは確かです。
そのため、副業をしようとするのであれば、正しい知識をもとに、想定されるリスクやデメリットを事前に対策しておく必要があります。
後々トラブルにならないよう、会社と上手に折り合いをつけられるように検討してみてください。

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