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2018-09-07 08:09

働き方

副業の認可はどう進める?導入後のトラブルを防ぐために

副業の認可はどう進める?導入後のトラブルを防ぐために

前回は労働者が副業をする際のメリットやデメリットについてご紹介してきました。労働者が希望しているとは言っても、企業が副業を容認するためには管理上の動きが必要となってきます。
そんな中で、企業側としてもメリットを感じられればより上手く機能していくはずです。
では、企業が副業を認めるメリット・デメリットとはいったい何なのか、確認していきましょう。

なぜ副業を推進する?企業が得られるメリット

従業員の副業を禁止しない理由は多くありますが、早い段階でOKにしている企業はどのようなメリットを感じて導入しているのでしょうか。
副業によるメリットを見ていきましょう。

[副業を推進することで得られるメリット]
・採用活動における優位性がある
・社員の定着率UP
・知識の活用

【採用活動における優位性がある】
政府が働き方改革を進めている一方で、従業員が自由な働き方を求めているのも事実です。優秀な人材も活躍の場を望んでおり、多様な働き方ができる企業を探しているという人も増加しています。
こうした動きに合わせ、フレックスタイム制やリモートワークを推し進めている企業も多くありますが、副業も似た位置づけとしてカウントすることができます。事実、就職するのであれば副業を認めている企業が良い、という声も聞かれるなど、副業OKは一種のアドバンテージとも言えるでしょう。

【社員の定着率UP】
先にも述べたように、副業は優秀な人材を獲得することの一助として位置づけられます。同様に、社員の流出を防止する効果もあると考えられます。何らかの理由で副業したいと考え至った社員が、自社は副業をしづらい環境であるから退職するしかない、という選択肢をすることを防ぎ、社員の定着率が上がることが考えられます。
副業がOKな場合、女性の妊娠・出産による休暇の際に別のお小遣い稼ぎをするといったことも可能であり、これまで妊娠・出産・育児などを理由に退職していた女性の流出を防ぐこともできるかもしれません。

【知識の活用】
従業員の知識・技術などのノウハウは企業にとって非常に重要な財産です。
副業によって、自社だけでは身につけることができない知識を身につけることが可能となります。身につけた知識や技術は従業員個人の財産となりますが、それを自社の業務でも活かすことができれば企業にとっても良い効果を見込むことができるのです。

副業によるデメリットは?しっかりと対応を考える

一方で、企業側のデメリットとなってしまうこともあります。それは、社員の労働管理や会社の体制の再構築といった点です。

[副業を認める場合のデメリット]
・通算労働時間による残業の管理
・副業によって発生する義務のトラブル対応

【通算労働時間による残業の管理】
労働者の労働時間については労働基準法に記載がある、というのはこれまでもご紹介してきましたが、実はこの第38条では「残業」に関しても適用されます。本業での労働時間と副業での労働時間を合算し、1日8時間以上の勤務をしている場合、企業は8時間を超えた段階で割増賃金を支払う必要が出てくるのです。
つまり、本業で8時間勤務し、副業で2時間勤務した場合、副業での2時間は残業に該当し、残業代が発生します。これは逆のパターンでも同様で、副業の勤務後本業で勤務した際、8時間を超えた勤務時間には残業代が発生します。
これを避けるためには、本業・副業での勤務時間を調整する、もしくは第36条1項に基づき、通称「三六協定」と呼ばれる手続きを行う必要があります。

【副業によって発生する義務のトラブル対応】
多くの企業が副業を認めていない理由として、労働時間に関する懸念を上げている企業が多いことはこれまでにもご紹介してきました。
しかし、理由はそれだけではなく、「情報漏洩」に関するリスクを挙げている企業も多くあります。情報漏洩は、例え禁止していたとしても大きなリスクをはらんでいます。社外秘である内容はもちろんのこと、日常の業務においてその企業独自のスキルであるものなどは事前にきちんとすり合わせ、漏洩のリスクを防止する対応が必要です。
また、競業での副業が発生した場合にも、自社の業務に活かすことができるため問題ないと判断するか、あくまでも競業であり複数の社員での発生を防ぐためNGとするかは企業によって対応が異なる部分です。後々のトラブルとならないよう、競業の範囲を明確にしておくことで予防は可能ですが、もしも発生した場合は、当該従業員との話し合いといった対応も必要となります。
万が一これらが原因で大きなトラブルへと発展した場合、トラブルへの対応も重要です。

社員の声を聴く。副業の認可で重要なこと

企業における副業のメリットとデメリットをご紹介しましたが、デメリットが発生するとは言っても、メリットとなる部分も大きくあります。
デメリットが発生するからと全て禁止とするのではなく、副業を禁止するのであれば、社員の声を聴き、なぜ副業をする必要があるのかを確認しましょう。企業が対応することでその理由が無くなれば、そもそも副業をする必要性が無くなる可能性もあります。
もちろん、給与面といった反映させることが難しい内容もあるであろうことは十分に予想されるため、きちんと対応を検討する必要もあります。

とはいえ、社員個人のスキルアップだけではなく、企業の活性化という意味でも副業はメリットともなります。初めは処理が複雑となるため導入には時間がかかるかもしれませんが、企業として生き残っていくためにも、副業を認める方向に舵を切っていくことも重要と言えます。

企業の中には「副業」ではなく「複業」という、本業・副業と仕事を分けず同時に複数の企業に勤務することを推進しているところもあります。有名な企業としてはサイボウズ、エンファクトリーなどが挙げられるでしょう。こうした企業のように、副業ではなく複業を検討してみるのも良いかもしれませんね。

まとめ

単に政府が推奨しているからとってすぐさま副業を認めると、その後の処理が煩雑になりトラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。
そのため、導入の際にはメリット・デメリットを踏まえた上で必要な対応を進めていきましょう。

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