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2018-09-25 17:09

働き方

2.過去の資金計画ー教育・仕事・引退モデルの崩壊

2.過去の資金計画ー教育・仕事・引退モデルの崩壊

長寿化に対処するうえでほとんどの人が気になるお金の問題から取り上げていきます。まず寿命の長さと勤労時間の長さに関して様々なシナリオを検討し、老後資金を賄うための貯蓄を推計します。長く生きるようになればより多くのお金が必要となります。そうなると、貯蓄率を高めるか、働く年数を増やすかその両方が必要とされます。すると、長寿という贈り物は一転して厄介の種となってしまうのです。長生きすることができると手放しで喜ぶことはできません。平均寿命が延びることにより起こりうるこうした現実は本書の出発点であり、金銭面の厳しい現実に対処するために私たちはみな古い常識から脱却し、教育・仕事・引退の3ステージの人生という固定観念を捨てる必要があります。今ある教育・仕事・引退という人生の3ステージの固定観念を持ち続けることは危険です。長寿の時代になるとその3ステージを送ることは困難となり、より長く働くことが必要となるからです。

つまり、人生は3ステージだと考えられていたのが、マルチステージへと変わっていくということです。このことはマルチステージの時代に変わってから気づくのでは遅いでしょう。特に100歳以上生きる可能性がある世代の方は、今までの人生の固定観念を捨て、新しい生き方へ発想を転換させる必要があります。

そのような発想の転換は次節以降で論じていきます。それでは本節では老後資金を確保するための貯蓄を計算するに際して、3人の架空の人物を登場させます。3人の名前はそれぞれジャック、ジミー、ジェーンです。生まれたのは、1945年、1971年、1998年です。ジャックとジェーンは43年違い、ジミーとジェーンは27年違います。一見するとそこまで変わらないのではないかと思いますが、この差は想像以上に大きいです。

なぜかというと、その年数の間に医療やテクノロジーなどの進化により、平均寿命が延びているからです。そのため将来どんな生き方となるのかがまったく異なってきます。

まず1945年生まれのジャックは、公的年金、企業年金、個人の蓄えという三種類の生活資金の源が存在しているため、勤労期間に毎年所得の4.3%を貯蓄すれば老後資金を確保できました。例えば年収が400万円の人なら年に172,000円を貯蓄したらよいという計算です。この数字は現実的な数字であり、貯蓄することは容易でしょう。

しかし、1971年生まれのジミーの場合、政府や企業の支援が縮小していくため、毎年所得の17.2%を貯蓄しなくてはなりません。。ジャックがもらっていた公的年金や企業年金分を補うため、年収400万円の人は、なんと年に688,000円の貯蓄をしなければいけないのです。この数字を達成するには大変な努力が必要だと考えられます。

そして1998年生まれのジェーンの場合、100年以上生きる可能性が高いため、3ステージの人生を送ることは難しいでしょう。65歳で引退し、老後の資金を確保するためには、勤労期間に毎年所得の25%を貯蓄しなくてはなりません。年収400万円の人なら年に100万円の貯蓄が必要です。もし結婚をして子供を産むと考えてみてください。この数字は非現実的だと言えるでしょう。

このことからわかることは、ジェーンたちの世代の多くにとって、65歳で引退する3ステージの生き方では、100歳を超す人生を経済的に支えられないということです。もしもジェーンが勤労期間に毎年所得の10%前後を貯蓄するとすると80代まで働き続ける必要があります。ジェーンはジャックより30年長く生きられるが20年長く働かなくてはなりません。しかし発想を転換し、3ステージの人生から脱却すれば、長く働くことがだいぶ魅力的に見えてきます。ジャックにとってうまく機能していた生き方はジミーには困難になり、ジェーンには全く実践不可能になるのです。ジミーはジャックのような生き方が困難となるため、長い人生を自分でどう生きていくかを考える必要があります。ジェーンはジャックの生き方が実践不可能となるが、ジミーの生き方を見て参考にすることができ、早い段階で考えておくことができます。

このことから考えられることは、実はジミーは前例のない生き方をしていかなければならないため、今すぐにでも考える必要があるということです。時間の猶予は残されていません。すぐそこまで人生100年時代が近づいてきているのです。

まずはこの現実を受け止める必要があります。ジャックの世代が年金を貰っているかといって、ジェーンの世代の自分たちがもらえるとは限らないのです。そして一昔前まで当たり前だった定年退職がなくなる可能性があります。人生の3ステージの固定観念から脱却しましょう。働かなければお金は得られず、生きていけないけません。その時代が訪れてからどのようにして稼ぐか考えるのは遅いでしょう。自分がスキルを持っていないと働くことが難しいため、あらかじめお金を稼ぐ方法を考えておき、備えておくことが重要です。

では具体的にどのようにして稼ぎ続けるのか、その方法について次節で説明していきます。

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